アルパインリーダーはどこにいった?

 さて、こんなのやってらんねー、とサジを投げまくったアルパインリーダーたちはどこにいったのか?
 山岳会で依存心丸出しの会員に嫌気が差したリーダーは、ふと気づく。こんなこと、タダじゃやってられないから、いっそ金を取るというのはどうだろう?それならやってもいいかな、と。
 想像するに、リーダーたちは優秀であればあるほど、まともに技術を学び、失敗を糧に山に向きあおうとはしない山岳会の会員たちに業をにやしたに違いない。これは山のガイドが日本で市民権を得た初期のことではなく、バブル時代あたりからの潮流だ。
 かくして、優秀なリーダーは有能なガイドになっていき、山岳会からはアルパインリーダーが消え始めた。

 有能なガイド本人たちはガイドになるべくしてなった、と考えているに違いない。

 もちろん山岳会で会員に辟易しなくても、自然とガイドへの道を歩む王道派もおられる。

 ガイドになるために登山を始めた、という人は少ないので、今までの経験の上に職業としての道が開けていたに違いない。
 ちなみに日本にはガイドの国家資格はない。ガイドはすべて民間資格である。医者には国家試験があるが、それでも腕の良し悪しはピンキリである。民間資格の山岳ガイドは押して知るべし。
 ガイド人口が少なかった数十年前はいざ知らず、昨今のように民間資格が充実すると同時に、総じてガイドのレベルはダダ下がった。

 最近ではわずかなリーダー経験でガイドに転向される方が増えた。

 山岳会のアルパインリーダーはますます減っていく。
 今では三つ峠や日和田で岩場テロ首謀者クラスのみなさんがガイドと名乗っていらっしゃる。昔のリーダーたちは有能だったので、予約の取れないガイドとなっているが、そうでない方々は拙い技術で受講生をぶら下げて遊ばせている。
 クライミングでも10CDが登れなくても金取って講習していたり。

 そんなん、ウチみたいな山岳会のリーダーで十分だろ。
 ことほど左様にアルパインクライミングの技術と登攀力はなかなか身につかない。だから本チャンにも行けない。
 ゼロから始めてガイドで実力をつけようと思ったら、ふつうの勤め人にはかなりの負担となる。やはり山岳会でも練習が必要で、経験を積む必要がある。
 ちなみに、日本のクラシックルートなら、10CDで十分だ。それなら十分できる範囲だと自認できる人でなければ山岳会でのアルパインクライミングはやめて、ガイドにつきましょう。

 登れるようになるための努力はきついこともあるし、練習には時間もかかる。

 ある程度の費用もかかる。

 そういう努力をしたくないなら、ぜひガイドを活用し、ハイキングクラブで飲み会山行やっててくださいな。
 まっとうな努力はしたくない人たちは、仲間うちで一生懸命練習して登れるようになってから挑戦した方が楽しいし、充実感がある、とは思わないらしく、自分で登れるようにならないのに、誰かに連れて行ってもらおう、トップロープを張ってもらおう、と山岳会を渡り歩く。
 かくして、こういう人たちに嫌気がさして、今日もひとり、明日もまたひとりと、アルパインリーダーが山岳会から去っていく…

クライミングフェスタin比叡山@宮崎
クライミングフェスタin比叡山@宮崎