健全な関係性を模索する

ある程度予想はしていたが、やはりクライミングや登山を金銭のやりとりの延長上で考える傾向のある人がとても多い。
 実力が伴わないのにガイドに転向する者だけを責められない。
 需要があるから供給が成り立つのだから。
 悪循環も生まれる。誰もが技術をマスターしてしまったら、小金稼ぎができなくなってしまうので、受講生を成長させないようにしか指導しない者もでてくる。
 もちろん成長しようとしない受講生も多いからもたれ合いの腐れ縁となる。
 ぶら下げてもらえれば満足で自分では登ろうとしない人たちも多い。
 本人たちが幸せならそれでもいいが、岩場でスダレ状態にロープを張って、受講生をぶら下げてルートを独占するのはやめてほしい。
 何にせよ教育には時間と労力がかかる。そんな苦労を投じて、適当な態度でいいとこ取りだけされたら、こんなのやってらんねー、となるのも宜なるかなとご理解いただきたい。
 教育は次の世代への贈り物でもある。贈り物を渡そうという気持ちと、ありがとうと受け取る気持ちこそが、文化を作りだす。
 私たちは自分の贈れる最高のものを会員に手渡したい。この贈り物をぜひまた次の世代へと手渡してほしい。
 そこには必然的に資本の論理を超えた本来的な人間関係が生まれてくるだろう。
 もし、そうならないとしたら、アルパインクライミングの技術は自殺の道具にもなりかねない。

小川山2峰登頂
小川山2峰登頂