フライングしてシーサイド

 金曜日からフライング気味にシーサイド。

 金曜日は流石に混雑は避けられて、二人とも目標達成。相方は危なげなくRP連発。

 私はイントロはオリジナル終了点までRP、アーリータイムスはTRで核心突破の道筋を確認。

 翌日の土曜日はもともとかなり混雑していたのだが、そこになんと団体様がお見えになり、ソーシャルディスタンスどころではなくなった。

 お子様が7, 8名、その保護者のノーヘルのみなさま、これまたノーヘルのインドアクライマーの皆様、総勢15名くらいだっただろうか。お子様が他の人に激突せんばかりに走り回るので、数が多く思えた。また保護者の皆様は他人のザックに腰を下ろされるので、ザックに入れていたバナナマフィンをありがたくもバナナ煎餅に変化させていただいた。すみません、とザックを引っ張ると、なんで私の座布団をとるのよ、と言わんばかりの対応をなさる。申し訳ありませんが、変形したバナナマフィンを取り出したいのですが・・・また、ソーシャルディスタンスはいかが合いなるのでしょうか・・・とは言わないけれど、こうなるとクイックドローやロープの貸し借りを避けましょう、とか、混んでいる岩場やピークタイムを避けましょう、一般的な感染予防策(マスク、手指消毒、ソーシャルディスタンスの確保)を徹底する、安全管理をこれまで以上に徹底する、など、どこかのお題目がまさしくお題目にしか思えなくなる。インドア以上の混雑ぶりと、簾状のトップロープ、登り返し渋滞を考えるととても長居する気持ちにはなれず、早々とファミリーに移動した。お題目のうちには、「岩場が混んでいたら、あきらめて別の岩場へ転進する」と言うのもあるけれど、先に来ていても数の論理には太刀打ちできないから、いやはや、なんとも。

 三日目も土曜日の状況が再現されてしまうと恐ろしいので、早朝からシーサイドに降りて、目的を達したところで、早々と退散。

 一点、良いものを見せてもらったのは、どこかのリーダーらしき人がルースガールを登る後輩のビレイをしている際、隣のタイトボーイを遅れて登りだしたクライマーを気遣い、自分がビレイしているクライマーに「そこで待て」の指示を出していたこと。待機して接触の危険がなくなるまでやり過ごせる位置で待て、という真っ当な判断をしていた。リーダーはこうじゃないとね。ビレイヤーは器具の操作だけでなく安全管理ができなければビレイヤーとしての役目を果たしたことにならない。

A  belayer is not a person who is just standing like a fool. (ビレイヤーってのはボケッと突っ立ってる人のことじゃないんだよ)

ボストンのジムに書かれていたフレーズが頭の中でこだまする。